流れる星を追い掛けて、追い掛けて。
二人どこまでも走っていく、走っていく。
何時かこの手に触れたいと。
二人、手を繋いで流れる星を追い掛ける。
 

「ゆき、ほしをとりにいこう! 」
 
「おほしさまですか? 」
 
天を指差す小さな手、政宗の指先は紺地が広がる空へと向かっていた。
紺地に中、眩く輝いている星が数多と散らばっている。
幸村は、政宗の指先を見つめ指し示す星を追い掛ける。
少しずつ少しずつ移動する指に会わせ、幸村の身体も少しずつ少しずつ星と共に移動する。
 
「あっ!! 」
 
すると、急に星の動きが早くなり紺地の空から碧地の山へと落ちていった。
 
「あそこへいけば、ほしがとれるぞ!! 」
 
「そうでございますね!! いくでござる!! 」
 
二人、手に手を取って空を眺め、輝く星が流れるのを待っていた。
すると一つ、また一つと・・・・小さな光が紺地から零れ落ちて来る、碧地へと沈んでいく。
政宗と幸村は、空で綺麗に輝く光を手にしたくて、星を追い掛けて走った。
 
 
 
 
暫くして。
星を探しに行った政宗と幸村は、小十郎に抱かれて屋敷へと帰ってきた。
屋敷から居なくなった政宗と幸村を探しに出た小十郎は、少し離れた場所で泣いている二人を見付けた。
暗がりの道端で、余程怖かったのかしっかりと抱き合ってわぁわぁ、と大声で泣いていた。
 
「ほしをとりにいきたかったのだ・・・・」
 
その政宗の言葉に小十郎は、自分も子供の頃、誰かと同じ事をしていた・・・・と古い記憶を呼び戻し、
 
「今度は皆で取りに行きまょしょう」
 
泣きじゃくる子供達を抱き上げ、宥めるのだった。
 
 

shooting star/20080108