ふわり、ふわり。
シャボン玉が空へと昇っていた。
太陽のきらきらした光りを受けながら、虹色に輝いていた。



庭先で幸村は、子供のようにシャボン玉を吹いていた。



ふぅ、ふぅ。


優しくシャボン玉の素に息を吹き掛ければ、小さな泡が空へと舞い飛ぶ。
その様を、天へと上がる虹色の粒を見上げる。
太陽の眩しさに目を細め、ふわふわと浮かぶシャボン玉の柔らかさに目を細め、幸村もふわりと笑む。





くす、くす。



笑い声と共に、幸村の前に政宗が現れた。
子供の様だとからかわれるかと…身構えた幸村だったが、思惑とは違い政宗は、先の幸村と同じく空へと昇るシャボン玉を見つめる。


「どう言う意味で、笑われてるか?」

「綺麗なシャボン玉見て…ガキん時を思い出して笑っただけだ」

「……某が子供じみていると笑って…」

「バーカ」



そうでござるか。


幸村の作るシャボン玉が空へと舞う様を二人、いつまでもいつまでも見上げていた。





シャボン玉/20071222